近年、有効な資金調達法として“ABL”というものがあります。企業の商品、運送業者が保有するトラック等、などを担保に資金を借り出す仕組みです。

 

ファクタリングと呼ばれる資金調達方法にも似ているようですが、その詳細を見ていきましょう。

 

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ABL(売掛金担保融資)とは

ABLはお金を貸し出す時、借り手側が営業活動などを行っていてまだ受け取っていない代金やまたは在庫になっている商品といったものに対して融資を行う行為を指します。

 

さらには工場などの機械などの設備も含まれます。会社の設備(機械)を担保に入れてしまうと経営ができないのでは?と躊躇しますが心配はいりません。

 

こういった担保の提供は“担保権者”が所有する権利は移動しますが、設備は移動しません。あくまで書面上だけの変更です。

 

ですから、設備その物を渡すわけではないので、企業が設備をそのまま使い続ける事ができるのです。また、融資をしてもらえる額を決める基準は保有している物の価値や支払い能力で決まります。

 

在庫商品を担保に入れる場合なら市場での値段で決まるということです。アメリカなどでは一般的な手法になっていますが、日本ではアメリカほど普及していないのが実情です。

 

しかし近年では日本でも不動産をもっていない企業が融資を受けられるためABLが導入される機会が増え、資金を融資してもらえる機会が増えています。

 

ABLで融資をした場合、商品などを融資対象としているケースがあるので、担保管理のため仕入れや販売や在庫の状況という業務状況を担保管理者に利用者が情報を提供します。

 

また、すでに効力の生じている権利関係の変動などを第三者に主張するために動産の担保登記を行うことが多い傾向にあります。

 

売掛金を債権に融資を行っている場合は、三者(融資を受ける側、担保権者、売掛債権の債務者)による契約が主です。

 

しかし、これを2者の間で契約するケースになりますと、第三者に権利の変動を象徴する材料が必須となります。

 

これがない場合にはABLの融資を受けられないことになります。もしくは一方的に不利な条件での取引を迫られる事もあります。

 

では、ABLでお金を貸す金融機関は、どのような点を見て融資してくれるのでしょうか?

 

・売掛金の総額が高い

・リスクの分散のために売掛先が多い

・信用度が高い売掛先がある

 

などがあります。こういったポイントを元に融資する金融機関は融資の審査をします。また、融資側は常に売掛金の、毎月の推移や新規の取引先が増えた場合などをモニタリングします。

 

ABLとファクタリングの違い

結論から言うと、資金調達方法の違いです。

ABLは流動資産などを担保にして融資を受けるシステムに対して、ファクタリングは売掛債権の売買を行うことで資金調達します。

ABLとファクタリングについて詳しく説明していきます。

 

■償還請求権の有無

担保を主とするABLと、売掛債権の売買を主とするファクタリングの違いで大きな差がでるのは償還請求権の有無で生まれる“リスク”の問題です。(償還請求権とは、融資する側への保証制度です。)

 

この償還請求権が有るか無いかで、融資することによるリスクの高低度が決まるといっても過言ではありません。

 

それぞれのシステムと、リスクを詳しく説明していきます。

 

・ファクタリング(償還請求権無し)

融資を受けられる代わりに売掛債権を譲渡するシステムをファクタリングといいます。

 

このシステムのひとつに設けられている“償還請求権無し”の制度に関しては、売掛金が入らない場合、融資額はファクタリング会社が負担しなくてはならないというリスクが発生します。

 

ここで一例を挙げてみましょう。

利用者からファクタリング会社に売掛債権が譲渡されました。しかし、売掛先に支払い能力がなくなり売掛金を徴収できなくなった場合でも、償還請求権がない以上は、利用者に請求することはできません。

 

当然、売掛債権の譲渡が完了しているので、利用者に対する請求権もありません。従って、回収不能となった場合ファクタリング会社が泣き寝入りすることになります。

 

これが、ノンリコースと呼ばれる、償還請求権無しの制度に潜む最大のリスクなのです。

 

・ABL(償還請求権有り)

売掛債権等流動資産を担保に融資を受けるのがABL(売掛担保融資)です。

 

あくまで担保による資金調達になるABLは償還請求権が必ず存在します。償還請求権とは簡単に言ってしまえば“保証します”と言うことです。

 

例えば仮に保障人になって実際にお金を借りた人に問題が発生し返せなくなった場合、保証人(ファクタリング利用者)が返さなければならなくなるのと同じです。

 

資金の担保としていた債権が回収不能になればこれらを担保としてお金を借りていた人は貸し手側に対してお金を返す必要が発生します。

 

ABLで流動債権を元にお金を借りる時、償還請求権があり保証が発生するリスクを覚悟する必要があります。

 

手数料の比較

比較的ファクタリングにかかる手数料は高く設定されており、一概には言えませんが売掛金に対して相場では5%~20%が相場だとも言われています。

 

ABLも担保についての手続き費用、担保管理、担保になる資産を外部の専門員家に依頼するときは調査してもらう調査料も発生しますが、ABLの手数料は、ファクタリングに比べて安いです。

 

・ファクタリングの手数料

手数料は債権を買い取る時にファクター自身が回収不能に陥った場合、多大な損失を被ることになるファクタリングは高めに設定されているところが多いです。

 

ファクタリングでは手数料を、支払い売掛債権を売却します。売掛債権の回収はファクター側が行います。

 

ファクタリングの手数料は、二社間ファクタリングを行った場合、手数料の相場が20~25%までになるほど高いです。仮に債権を100万円で買い取ってもらうとすると、20万円は手数料でもっていかれる可能性があるということです。

 

高い理由は売掛先が倒産などした時にリスクを全て背負う事になるので、予め高めに設定されているのです。

 

万が一、売掛先が倒産した場合、売掛債権を完全に買い取りしている償還請求権なし、いわゆるノンリコースの場合ファンタリング利用者はその損失を受けることはありませんがファクター側は多大な損害を受けます。

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だからこそ、前もって高い手数料を請求するのです。

 

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・ABLの手数料

常に融資先の企業の経営を監視できる状態におり、相手の流動資産などを担保にする場合においても予め相手企業の信用に応じた金利を設定しています。そのためリスクの分散ができており、その分金利を安くできます。

 

ABLの場合ですと売掛金自体を担保にしていますので、担保提供の移行、譲渡という事になりますから償還請求権は必ずあります。つまり借り手が融資を受けた分は必ず借り手がリスクを負う必要性が生じるわけです。

 

「償還請求権なし」のことを完全保証、「償還請求権あり」のことを一部保証と認識してもらうと、分かりやすいかもしれません。

 

ABLは償還請求権があり、ABL利用者にリスクが及ぶ代わりに手数料を軽減されます。ABLではあくまで企業が持っている在庫品などの利益になる財産を担保に融資を受けます。

 

つまりファクタリングは売掛債権の売却による資金調達、ABLはあくまで融資を受ける資金調達です。

 

単なる売掛債権の譲渡により資金を援助するファクタリングと違いABLでは融資先の経営をモニタリングし、事業を監督していると言ってもいいでしょう。

 

常に商売の流れを監督し、事業の継続を図ってもらうのが狙いです。ファクタリングは売掛先に重きを置いていますが、それに対してABLの場合は違います。

 

貸し手が借り手の事業価値を見極め融資します。事業の継続性を生み出すABLはその点で資金調達のみの効果であるファクタリングと違います。

 

ABLでは売掛債権は在庫品など流動資産を担保として融資という形で利用者は資金を調達します。常に融資先の事業推移をモニタリングしていてどのような事業活動なのかを確認しています。

 

そのような行為は融資する側のリスクを軽減する行為になり、また上記でも記したように基本的には債権回収ができなくなった場合、損失はファクタリング利用者になります。そういう事もありABLはファクタリングより安価な手数料で済むのです。

 

売掛債権に対する掛け目が影響を及ぼすABLとファクタリングでの違いは?

担保としての評価率である掛け目。ファクタリングの場合債権譲渡を行うケースでは利用者は売掛債権に対しての掛け目分しか譲渡代金が貰えません。

 

しかしながら、売掛債権の掛け目部分を担保としているABLでは借り手側が借りたお金を完済すれば売掛債権は全て借り手が受け取れます。

 

売掛債権の譲渡という形で掛け目分を渡された時点で売掛債権は戻ってこないファクタリングとあくまで融資という形になっているABLとの違いがあります。

 

融資額はどこで決まる?

ファクタリングでは債権譲渡で売掛債権の譲渡の代金としてお金が支払われるため取引される債権の価値を大きく超える額は融資してもらえません。

 

当然、売掛金の状況が良いと判断されればより多くの融資が受けられる仕組みです。ファクタリングは売掛金そのものの売買です。ファクタリングでは売掛先の信用性が大事です。

 

主に、ABLのケースでは無理だった業績の悪化、税金の未納などが発生していたとしても売掛金の譲渡は可能となります。

 

ABLでは動産(売掛債権や在庫)は担保の価値を評価されますが、評価した担保の額と融資してもらえる額は同義ではありません。融資してもらえる実際の額は融資する側と借り手側の協議によって決まります。

 

ABLは売掛先、売掛金そのものに対する金融的価値の高さによって融資してもらえる金額が変動しますから、元々決まっている売掛債権の価格以上の資金調達は上記でも記したようにできません。

 

ABLは売掛先よりまず取引企業の信用が大事だと考えられています。ABLというのは利用者の信用度によって大きく融資額が変わってくるシステムです。仕入れなどの借り手側の、会社の商売の流れを常時監視する事ができます。

 

その過程で利用者の信用度が上昇すれば、担保として提供している売掛債権の価値以上の金額を融資してもらえるというわけです。

 

しかしながら、掛け目や信用度によっては売掛債権の価値に比べて少ない資金しか調達ができないという事にもなります。

 

とにかくABLで一番重要度が高いのが企業の信用です。当然、業績悪化や税金の未払いなどが発生しているような企業は融資しないという判断も下されます。

 

ABLはどんな企業に向いているのか

売掛債権だけではなく企業の機械設備や担保、在庫商品、仕掛品と幅広く融資対象になるシステムがABLです。中小企業が資金を得るためファクタリングを利用する場合、大規模な企業の売掛債権を保有している方が当然有利になります。

 

ABLですとファクタリングと似た仕様も多いため、大企業と取引のある中小企業が有利になるシステムです。それにプラスして安定感のあるお客、販売先があり、売掛残高が安定している企業はABLを利用するのに向いていると言えます。

 

また、在庫商品の価値が高く換金性も高いが、長い間さばけず、在庫期間が長期にわたるなどで資金の負担が重い業者なども、向いていると言えます。

 

上記の中小企業などの場合わざわざ担保の信用を高めるため、不動産の担保などを用意し信用を高める必要がありました。また、担保の評価が十分な高さじゃない場合は融資してもらえる金額や利息面で不利な取引になってしまいがちになっていました。

 

そこでABLを利用し、保全面(担保や保証)が良化すれば、融資してもらえる金額が増え、利息面でも信用度が上がり楽になり不利な取引を回避できます。

 

そして利用者はABLにより商売の流れを担保保有している側に理解してもらえることにより、さらなる信用度の向上をはかることができるようになりました。

 

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