ファクタリングの仕組みを知れば、これ良いじゃないかと飛びつく経営者が多くいます。しかし、上手い話には何かあると疑う心を忘れてはいけません。
良い面ばかりを見ていると、足元をすくわれます。今回はファクタリングが賃金業法から見て違法なのか、悪徳業者はいるのかを説明していきましょう。
現在、契約を結んでいる人もファクタリング未経験者にも為になる知識ばかりが、紹介されるので要チェックです。
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ファクタリングは貸金業法違反
貸金業法に違反しているかどうかは、ファクタリング全体で見ることはできませんが、ご自身が契約している会社が違反しているかを見抜く必要はあります。
いくつかポイントがあるので確認していきましょう。
真正売買であるのか
契約書にこの取引は、真正売買ですよと記載されている場合が多くあります。(契約した会社が貸金である場合は、貸金である場合の項目を確認して下さい。)
これは借金をする“貸金”ではなくて、あくまでも担保を融資する“売買”であるということが言いたいのです。
しかし、真正売買は契約書に記載していれば、それで通るというわけではありません。いくつかの条件を満たす必要性があります。
その条件の中でも、【売掛債権の価値と買取代金の均衡】が賃金業法に触れているかを判断する大きな材料となります。
売掛債権の価値と買取代金の均衡
では、ファクタリングは売掛債権の価値と買取代金の均衡を守れているのかを説明しましょう。
まず、売掛債権の価値と買取代金の均衡を簡単に言うと、売る時の値段と買ってもらう時の値段のバランスが取れているかということです。
売買の場合、会社の経営が傾いていない限り満額返せるであろうということで取引をしますので、売る時の値段と買ってもらう時の値段はさほど変わりません。
もちろん、取引に伴う手数料だったりその他のコストで、買ってもらう値段に多少上乗せされることはあります。
しかし、ファクタリングのように返済が1カ月後である場合、返せないというのは非常に稀な事であると判断し、売掛債権と買取代金はほぼ均一であるべきなのです。
ですから、ファクタリングが真正売買であるというのならば、金利は低く設定されている必要があるのです。
あなたが契約しているファクタリング業者はこの基準を守れているでしょうか?守れていないのなら、それは売買ではありませんので違法の可能性があります。
貸金である場合
ファクタリングが売買ではなく貸金であると仮定しましょう。
違反であるかを判断するには、貸金業登録をしているかがポイントになります。これに登録もせずに、運営をしているのであればそれはれっきとした違反です。(金融庁に通報する必要があります。)
次に注目する項目は、手数料です。
現在、ファクタリングの手数料つまり金利の平均は5~20%と言われています。これは、年間ではなく月にかかる料金です。
では、今回問題に上がっている貸金業法ではどのようになっているのかというと、利息制限法で原則金利は年間15%を上回ってはいけないとされています。
また、出資法で金利は年間20%上回ってはいけないとされています。では、ご自身が契約している会社は、この金利を守れているでしょうか?
先ほど、説明したように、ファクタリングの手数料(=金利)は平均で月5~20%と言われています。守れているとは到底、考えにくいと言えます。
違反であると判断がついた場合、時効を迎えていない限り過払いとして返金できる可能性があるので、ご自身が契約した内容を確認しましょう。
闇金のような悪質なファクタリング会社もある
結論から言うと、存在します。
今までの貸金では貸金業法等に縛られて自分達の思うように運営できないと、ファクタリングに転向する闇金がおり、そのやり方は悪質です。
例に挙げて紹介しましょう。
手数料が高い
初めて利用するとき、手数料の平均は15~20%となっています。しかし、悪質な会社は30%を超過することがあります。
ファクタリングのことを知っていれば、これはおかしいと思うのですが、無知な人さらにはお金に困って切羽詰まっている人は、高価な手数料であることを疑わない傾向にあるのです。
また、手数料を契約書に書いていない場合もあります。月々の分しか書いておらず全体的な手数料が書かれていなくて、知らないまま30%以上を払っていたというケースです。
債権譲渡通知を取引先に送付する
2社で行うファクタリングの場合、その行為(ファクタリング)が取引先に知られる可能性はありません。
利用している会社が取引先から売掛金を、通常通り受け取りそのお金をファクタリング会社に支払うので、ファクタリング会社と取引先の接点は一切ないのです。
しかし、悪質な会社は取引先にファクタリングをしている事をバラす可能性があります。何故そんな事をするかというと、嫌がらせのような要素が含まれています。
商談している中で双方の意見が噛みあわない、利用者が文句言ってきた、支払いの期日が遅延したなど、ファクタリング会社側に引け目がある時にされる事が多いです。
悪質なファクタリングを見抜く方法
前項で記載したような、悪質な会社と契約してしまえば傾きかけている会社を余計に傾かせてしまうことも考えられます。
では、そのような会社と契約しないためには、どうしたらよいのでしょうか?
それは悪質な会社の特徴を知っておくことが重要となります。ファクタリングを始める前にその特徴が頭にあれば、騙されることを未然に防げるのでしっかりと覚えておきましょう。
今回、紹介するのは6つです。1つずつ確認していきましょう。
契約前の怪しい行動
・口約束をする
悪質な会社は口約束のような曖昧な行為が多い傾向にあります。
例えば、請求方法を契約する前は合法なやり方であると“口約束”をし、実際契約をした後に法に外れた内容を突きつけるケースがあります。
口約束は法的になんの効力にもなりません。テープレコーダーに残っている書面にサインをもらっているなど、記録に残っていないといけません。
ですから、お金が絡んだ契約をする際に口約束のような曖昧な事をする会社には気を付けましょう。
・登記の手数料が高い
ファクタリングを始める時に法に基づいて債権譲渡登記というものをする義務があります。それには登記に6万~10万未満ででき、解除に1万ちょっとでできます。
しかし、素人はこんなの知らないだろうと、多額のお金を請求する会社がいます。また、契約が終わっても登記を解除しない会社も存在するので要注意です。
・直接会わない
直接会わずにインターネット上や電話だけで、契約ができる会社は注意しましょう。自分の正体がバレたくないから会わない可能性が高いです。
実際、利用する側から見れば会わずに簡単にできるので、メリットのように感じますがあまりにもリスクが高いです。
会社の経営に関わることを安易に考えずに、きちんと会って商談ができ信頼できる会社に頼むようにしましょう。
・所在地が不明
会社の名前を調べてHPは見つかったから、安心だと思うのは早すぎます。その会社にはちゃんと事務所があるのかまで確認しましょう。
インターネットが普及しHPを簡単に作れる世の中になったからこそ、悪質な会社はHPだけ載せていれば安心するだろうと企んでいる可能性が高いのです。
契約後の怪しい行動
契約まではまっとうでも、契約後に悪質さをだしてくるケースもありますので、紹介しましょう。
・契約書の控えをくれない
契約をした場合、利用する側に1枚、業者側に1枚あるのが通常です。しかし、悪質な会社は利用する側に契約書の控えを渡さないケースがあります。
契約をする時にはまっとうな内容でし、後から法外な内容に書き換える可能性があります。そうして、当初とは違う内容で契約するはめになったという被害がでるのです。
・売掛金の支払日が合っていない
売掛金が決まった日に振り込まれていない場合は、怪しいと判断して下さい。どんどん遅らせて、しまいには連絡すら取れなくなって逃げるといったケースがあります。
まっとうな会社なら、毎月決まった日に振り込まれます。遅れるなどありえません。
まだまだ、悪質な会社には色んな特徴があり、まっとうな取引をしてくれる会社を素人が見抜くには難しい部分があります。
経験者でも悪質な会社はあの手この手でくるので、被害にあってしまうこともあるかもしれません。ですから、それを解決するにはなによりもプロの力が必要不可欠です。
資金調達プロのようにファクタリングを正式にしている会社を検索するサイトを利用したり、弁護士や税理士など法律に詳しい人に内容を話してみるのが有効的と言えます。